エッセイ・随筆

審査会の裏(?)で書く北海道戯曲賞の話

北海道戯曲賞最終候補という、事件。

年末最後の大事件でした。
2017年7月に上演した『Replace Grace』が、北海道戯曲賞の最終候補にノミネート、されました。
事件でした。わが人生にこんな機会があることは、表面上諦めていました。
でも、「出さねば通らない」の精神で応募していました。
最初で最後の1回かもしれない。けれど、本当に嬉しかったです。

昨日、稽古も大詰め、というところで諸々すっころんだりしまして(雪だしね)、まだ何も終わっちゃいないのに家でメソメソ泣くし、今日もずっと作業してるのにまだやること一杯あるんですけど、結果が出る前じゃないと書けないことがあると思うので、書いておきたいと思います。

『Replace Grace』という作品

この素敵なタイトル、名づけの達人、と個人的に思っている、monophonic orchestraの須貝英さんにつけていただきました。
今思いかえしても、なんてぴったりな名前だろうと思います。須貝さん、本当にありがとうございました。

これを書いている時期は本当に公私ともに大変で、本当に本当に大変で、どうなることかと思いました。けれど、生物学、とりわけ自分が憧れていた分野への憧れ、熱量、みたいなものを精一杯乗せて書いたのがこの作品でした。
遺伝子組み換えを実用化するとしたら、研究者は、被験者は、どんな葛藤とぶつかるのだろうか。生命を扱うことにいかに向き合うか。学生時代、生物学を学ぶ学科にいて、感じていた肌感覚を探りながら書いていました。実演段階では理系と文系の思考回路の違いを俳優と共有するのに苦戦したりもしましたが、今も研究を続けている同級生が見に来てくれて、まさに同じような課題にぶつかっているんだよ、という話をしてくれた時に、なんだかとっても嬉しかったのを覚えています。研究者としての進路を選択することのなかった今も、生物学への愛は、憧れは、葛藤は、まだ地続きでいられたんだ。そういう風に思えました。

だからこそ、「希望の大地の戯曲」と冠したこの戯曲賞の最終候補に選出いただけたことが、私はとても嬉しかったです。
“希望の大地”なんて、なんて生命の誕生を彷彿とさせるフレーズなんでしょうか。
実際は、何で選んで頂いたのかわかりませんが、なんだか、この戦いを受け入れてもらえたような気がしたんです。本当に本当に嬉しかったです。ありがとうございました。

でも正直、明言はしないんですけど、この戯曲のアラも、十分わかっているつもりです。戯曲というものは、めったなことでは、”完成”なんて言えないとは思っている派なんですけど、それでも悔しくはある。せっかくなので、今後もまた上演出来ることを目指して、引き続き見つめていけたらと思っています。


photo by bozzo

雪の中

北海道戯曲賞、最終審査の審査会が冬の北海道で実施される都合上、雪の影響を大きく受けてしまうようで、
昨年度は2か月の延期。今日の審査会も雪の影響で飛行機が全然飛ばなかったりしているようです。
な、なんて選考者にとっても過酷な戯曲賞なんだ……。
そんな大変な中で忙しい劇作家の方々に作品をご覧いただき、審査会に臨んで頂くことに、改めて感謝しなければと思っております……。

結果はわかりませんが、選評、楽しみにしております。(誰も言及してくれなかったらどうしよう……。)

兎にも角にも、改めまして、この度は本当にありがとうございました。これからも引き続き、頑張ってまいります。

●公演情報●
kazakami 存在と証明1
『カザカミ』
2018年1月31日(水)~2月4日(日)
@花まる学習会王子小劇場

【公演情報】kazakami 存在と証明1『カザカミ』 次回公演情報です。 劇団として初の劇場公演となります。 より一層気合いを入れて頑張っておりますので、気にかけていただけたら嬉しい...