福島県立いわき総合高等学校『1999』
病み上がり初観劇はこちらでした。そわそわしながら久しぶりのアゴラに向かいました。
厳密には学校名・公演名は、
福島県立いわき総合高等学校 総合学科 芸術・表現系列(演劇) 第14期生の卒業公演「1999」
なんだそうです。
ナタリーの記事を貼っておきます。
https://natalie.mu/stage/news/237920
これが、もう、凄い面白かったんです。病み上がりのくせに観に行った甲斐がありました。本当にみなさん羨ましかった。
でも私がこの話をするにあたっては、”まえがき”が必要な気がします。
2014年に観た、板橋駿谷一人芝居『俺の歴史』
私の好きな俳優さんに板橋駿谷さんって方がいるんですけど、2014年に『俺の歴史』という反省を描いた一人芝居をされていました。その一人芝居の構成/演出をされていたのが今回作・演出をされている野上絹代さんだったんです。
こちら、板橋さんのオフィシャルサイトなんですけど、『俺の歴史』の動画が見られるので良かったら見てみてください。
https://jungle-shunyaitabashi.amebaownd.com/
これが衝撃だったんですよね。あ!私、こういうのやりたい!って思ったんですよ。結果的に表出するものはちょっと違うかもしれませんが、多分、本質的なところで。
『俺の歴史』は板橋駿谷さんの一人芝居。まさに内容は『俺の歴史』で、語られていることに何ひとつ嘘がないという。駿谷さんをとにかく堪能出来る作品。個人的には、ある種やりたいことをハイレベルで実現させられてしまって、それにも衝撃を受けました。
駿谷さんを知らなくとも楽しめると思います。— 木村恵美子 (@lo0__0ol) February 14, 2014
これ、当時の私の観劇後のツイートなんですけど、ここでも書いてる。
個人の人生や想いをこんな風に切り取って演劇にすることが出来るんだって素直に感動したし、わたしは板橋駿谷さんを知っていたけどきっと知らない人も板橋駿谷という個人を愛することに繋がるんだろうなあと思った。こんなこと出来るって本当にカッコいい!って思った。そこで、野上さんの名前を覚えました。
で、それから野上さんの情報を追っかけてたんですけど、あまり都合がつかなくて、観れなかったんです。三月企画とか、本当に観たかったんです……。
それで、今回この公演の概要を知って、あ、きっとおんなじ風に一人ひとりを愛して、寄り添って作られた作品なんじゃないかと思って、病み上がりではあったけど予定は合わせられたし、行きたい、と思ったんですよね。はい、カン、当たってたわけなんですけど。
女子高生たちの、今。
💐『1999』千秋楽終了💐
恐怖の大王たちの最期のステージが無事終了しました。お客さまはもちろんですが、絹代さんをはじめとする大人の方々、アゴラの皆様がみんな温かく舞台を見守ってくださり、皆様の愛に包まれた東京公演でした。明日いわきに戻り、数日後にはもう彼女たちも卒業です🌸 pic.twitter.com/j5OjVvyTHt— いわき総合高校 芸術・表現系列 演劇 (@sogo13th_drama) February 25, 2018
いわき総合高等学校のTwitterアカウントより。
(もし拝借してNGなようだったら消します……。)
もう、9人、いや10人、そしてスタッフチームも、本当にかっこよかったです。
恐怖の大魔王、最終的にそういう展開に持っていくとは。びっくりでした。あ、事前情報でスギちゃんって書いてて何かなって思ったけどスギちゃんでしたね笑
徐々に方言をオープンにしていく様子とか、劇作・演出面でも凄いなって思いましたけど、やりきった出演者のみなさん、本当にかっこよかった。私、高校生の時にあの立場にもしなったら、あんな風にやりきれただろうか。
ほんとに、嘘がなくて、きっと。どれもこれもまっすぐ伝わってきた。あー、なんでこんな、こんなことが出来るんだろうって思った。
デスメイクをなくした再登場、印象的だった。本当に印象的だった。名前を私は結局全員は覚えられなかったけど、個々人は認識出来てて、ちゃんと順番とか発言とか、綺麗で、一つ一つ腑に落ちて。
悩み、生きる今の高校生の彼女たちが、そのまま乗ってて。そして最後、本当に鮮やかに、熱量を上げていって。ほんとほんと。
ネットでも何人かの方が言及していた、あの日をただ語っていく、ホントをウソにしたいあのシーン。えぐられた。この流れであれを投入できて、そしてすべてを持って行って、流れを、なんというか、上手く言葉に出来ないんだけど、あんな風に変えて行けるんだって感動した。
一人ひとりの魅力が本当に素敵に引き出されていて、また野上さんは、個々人を見つめて、掬い上げて、作品にして、きっと、ちゃんと一緒に楽しんで創作されてて、客席の人々にまたその個々人をすっかり愛させてしまったな。って、やっぱり凄いな。かっこいいなって思った。やっぱりいつか野上さんにお会いして、お話を聞くことが出来たら嬉しいなって思います。演劇続けていたらそんな日も訪れるでしょうか。頑張ろう。いわき総合高校の演劇教育は、コミュニケーション教育を目指しているんだとか。まさに、な作品だったんじゃないかと思っています。素敵な結果として見せていただきました。
一人かけてるのとかも、上手く取り入れて。デスメイクも個々人の個性に寄り添っていたりして。序盤から、危うさ、みたいなものを上手く逆手にとって観客を引き込んでいて、なんか、そう、すべてが肯定だった。
ちょっとズレるけど、私も、高校生の頃、今よりずっとエネルギッシュな若造で、黒歴史とかいっぱいあるんですよ。あの時期って特有のエネルギーがあって、でも地図が無くて。視野も、私の場合はまだまだとても狭くて。どうしたら良いの、どうしたら良いのって、いつも情報を探してた。失敗も沢山したし、もちろん得たものもいっぱいあるけど。悔しかった。なんか、そういう時もそれはそれで輝いているんだよなって思った。いのちが輝いている、みたいな感じがした。
最後のシーンとか、目が離せなかった。……と書いてて泣けてきたぞ。おおお……。一人ひとり、例外なく素晴らしかった。アナウンス等に入ってきてくれた彼も。
本当に素晴らしかったです。皆さん。見れて良かったです。本当に。ご卒業、おめでとうございます。
遠路はるばる東京まで、本当にありがとうございました。お疲れ様でした。
皆様がこれからも素敵な人生を歩まれることを祈っております。