【稽古場行ってみた！】劇団晴天『捨て身のハンサム』①

こんにちは！ご無沙汰しております。木村恵美子です。
最近は劇団晴天のタイミングにしかブログを稼働させておりませんが、「もう少し頑張れ自分！」と思っております。

はい。そんなわけで今回は
2223project produce
劇団晴天第13回本公演
「捨て身のハンサム」
の稽古場を見学させていただきました！

そう、今まではゲネプロレポート、という形で関わらせていただいておりましたが、今回プロデューサーの角田さんより、「稽古場に来てみませんか？」とお誘いいただきまして、稽古場に伺えることになりました！これまでのゲネレポートは以下の通り。よろしければ併せてご覧ください。

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元々私、人の稽古場大好きでして。元々企画で色々な稽古場を見学させていただいていたりしたんですが、現在は社会情勢もあり自粛中。でも今回はお誘い頂きましたので、マスク、手指消毒、検温、距離、の万全の感染症対策で伺いました。

総勢11名の出演者！

今回の出演者は劇団員６名に客演５名を加えた総勢１１名！

一般的な演劇としても劇団晴天の作品としても特に多いというわけではないんですが、こうやって稽古場に全員集まると、「多い！」という感覚になりますね。

この日私が見学した時間帯は新しく台本が出たシーンの読み合わせをしておりました。全体で読んで、台詞を直したり削除したりして、精査していくような形で進んでいました。イメージとしては、ざっくり彫った彫刻を持ってきて、確認しながら細かい部分を彫っていくような、そんなイメージでした。

もとから、「俳優と作る」タイプの作り方をするとは聞いていましたが、作家の大石君も積極的に俳優さんに意見を求めていく形を取っていたのが非常に印象的でした。劇団晴天の作品はこうやって俳優さんの力を借りることで、より血肉の通った台詞を生み出していくんだなと。もちろん作家としての軸や執筆背景なども持ち合わせながら、良い意味でプライドに縛られず柔軟に上手く人に頼っていく稽古場の回し方はとても勉強になりました。

話合いの中で劇団員からは「ここは私たちに任せて！」と頼もしい意見も出ており、ホント良い関係性だな……と思いました。ここは前回私が書かせていただいた短編集のパンフレット掲載のインタビューや座談会を読んで頂けるとさらに感慨深い感じになると思います。

あと今回も出演者皆さん上手くて凄かったですね（語彙力よ…）。本読みのはずなのに大変クオリティ高くて驚きました。これは完成品も期待大です。

ディスカッションタイムも。

また、あるシーンのクオリティを上げるために男女に分かれてのディスカッションタイムも。けっこうきわどい話題もあったりして、傍で見ている私と演出助手の福丸さんがただただ気まずい時間が流れました（笑）目のやり場っていうか耳のやり場に困りましたぜ……。

今回もかなり人の日常に寄り添った作品になるんじゃないかな～と同時に、マスクしてて良かった～なシーンも多々になる予感です。以前、オフィス上の空６団体プロデュース「１つの部屋のいくつかの生活#3」で発表した『獣道すらないぜ、令和』に近い題材も含まれてくるんじゃないかな～と思います。

ただ……、創作を共にしたことはないのでわかりませんが、結構台本が差し変わるという噂も耳にしております。まだまだ台本がガラッと変わる可能性も秘めておりますからね。最終的にどうなるかはまだわかりません。

現状台本どんな感じ？？

今回、稽古場で観れなかったシーンの台本も見せていただきました！

これは面白いですね！！男主人公の長編は『朝をつれてこい』以来らしいですが、我々９０年代前半生まれ世代が見ている、「これからを生きる」ということが書かれた作品になりそうです（書き変わる可能性大なのでまだ断定はできない）。

いやあ、これは私自身もいち劇作家として完全に偏見で書くんですけど、劇作家によって台本の体裁って全然違うんですけどね。大石台本はシーンごとに１－１とかふってないんですよね。自分は書く場合が多いんですけど。こうやってシーン番号をふってない場合って結構、構想時間が長くて執筆時は一気に書く、というパターンが多いと思うんです（ちなみにふってる場合は構造から考えてシーン順を替えられるようにしてるイメージ。偏見です）。恐らく、そうやって書いて後から調整かけてるんじゃないかなって思うんですけど、偏見として、こうやって一気に書く方が生っぽい台詞や葛藤になると思うんですよね。晴天の作品はそういう傾向の作品が多いと感じているので、なるほどなあ……、と思っていたりします。

出演者に思った事をネタバレを避けながら書く

今回、滞在時間は短かったんですが、こういうの書いてもらえると嬉しいですよね！という無鉄砲な自信だけを胸に出演者への皆様とその役へのコメントをお一人ずつ書いてみます。

荒木広輔（ジャスティス）

荒木さん。今回出演の劇団員唯一の男性キャスト！男性キャストの多い今回、稽古場で若干いつもより気楽そうなのは私の気のせいでしょうか！今回の役、現状の私の印象としては、目立たず、皆の間を取り持つけれど、全体で見ると一番影響を受ける役……なんじゃないかなと思います。どうなっていくか楽しみです。

近藤陽子（劇団AUN）

近藤さん。今回の役は特に癖が強くて面白かったです。今まで晴天で演じていた役とはかなり毛色が違う感じですが、「確かにそういう解釈もあるか……」という感じです。周りとのやり取りが面白くて物語全体でどう動いていくのか、実際に拝見するのが楽しみです。

佐藤沙紀

佐藤さん。今回の役も好きな予感がしております。今回見せていただいたシーンも良かったですし、台本で拝見した部分も素敵で、女性陣とのやり取りも男性陣とのやり取りも楽しみです。強さと弱さの両輪が魅力的な役になりそうです。

白石花子

白石さん。さすが編集者！稽古場での発言も頼もしいです！今回は今まで拝見してきた役の中でも作品内での幅があるのではないですかね……？「人間は色んな側面があるから面白い」を体現したような役であるなと拝見したシーンだけでも思いました。

鈴木彩乃（ジャスティス）

鈴木さん。今回拝見したシーンには出てこなかったのが残念でしたが！台本拝見する感じ面白そうな役なのでとても楽しみにしております。全然関係ないですがかなり長い時間椅子の上に体育座りされていて、「自分には出来ない……」と思いながら見ておりました（笑）

角田悠

角田さん。ディスカッションタイムのお話につい聞き入ってしまってすみません。晴天で一番フリートーク強いイメージですがどうなんでしょうか。今回の役も細かい台詞がちょいちょい面白いです。もしかしたらもっと面白い台詞増えるんじゃないかと思ってるけどどうでしょう。楽しみです。

（以上、劇団晴天）
そしてここから客演の皆様です。

桂弘

桂さん。稽古場でとてもよく笑っていらっしゃる印象です。今回の役は凄いですね。何言ってもネタバレになりそうですが……。人間の幅、裏表、決断と妥協、立ち位置……。大石君がこの役どころをあえてこういう風に書いているのが面白いなと思いました。楽しみです。

喜田裕也

喜田さん。稽古場では色んな人と話したり、構われたりしてる印象が強かったです。今回の役は本筋には大きく噛んでこないのに逐一持っていくところは持っていくイメージです（私が見せていただいたところがたまたまそうなのかもですが）。どうなるのか楽しみですね。

田中孝宗(劇団俳優座)

田中さん。今回の役はなるほどそう来たか！という感じです。あえて言うなら……。是非、２回目見る時に注目したい、役かもです。人間というものを短い尺の中でこう表現するとは……。ディスカッションタイムの時に喜田さんにのしかかっていたのが面白かったです。

永田涼香

永田さん、も、稽古場ではとってもニコニコされてるイメージです！今回の役は客席がソワソワする感じだと思われます。これから本番に向けてどうなっていくのか楽しみです。ソワソワさせてください。

宮川飛鳥(アマヤドリ)

実はあんまり関われてないけど私のアマヤドリでの後輩だったりします宮川飛鳥！……さん！宣材写真は大人しそうですが実際は元気と笑顔が似合います。今回の役は彼の（少なくとも木村が思っている）良さが遺憾なく発揮されそうで楽しみです。

そして作・演出の

大石晟雄

大石君。稽古場でみんなに私の事を「友達！」と紹介してくれたのが実は嬉しかったです。稽古場ではスペースを活かして全身を使って話してたのが面白かったです。数年来の付き合いですがいつもエネルギーに満ちているのがとても良いですよね。元気になります。黒Tシャツのイメージもかなり強いですが最近は柄シャツのイメージがつきつつあります。大石君からは今作にむけてのコメントも頂きました。

＜大石コメント＞
今回は３０歳になる直前の長編なので、男の年齢と決断の話をやろうとしてるんですけど、久しぶりにオーディションを開催して、すごい面白い人に沢山参加してもらっているので、この作品で魂震わせたいなと思っています。どうぞよろしくお願いいたします。