観劇

【ゲネ感想】2223project produce劇団晴天第13回本公演『捨て身のハンサム』”どうありたいか、どうありたくないか、人生のままならなさを真正面から描く”

こんにちは!木村恵美子です!今回は稽古場見学から創作過程を見させていただいておりましたが、ついにゲネプロレポートの番になりました!思いっきり熱量かけて書かせていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします!

改めまして今回、

2223project produce
劇団晴天第13回本公演
『捨て身のハンサム』
 2022年6月22日(水)~6月26日(日)
@小劇場B1

のレポートを書かせていただきます!

さて。稽古場レポートでは出来る限りネタバレを避けて書いて参りましたが、今回はゲネプロレポートなのでネタバレも書きます!今回もいつも通り、大きなネタバレは▼みたいなボタンで開閉できるように隠してありますが、全編地味にネタバレしておりますので、ネタバレしたくない方は観劇後にご覧ください。

木村恵美子って誰よ?
私を知らない方のために自己紹介をしますと、 木村恵美子と申します。kazakami(カザカミ)という劇団?ユニット?を主宰している劇作家・演出家(コロナ禍もあってkazakamiでの作品発表はしばらくしておりませんが……)で、大石くんとは王子のDWS(ディレクターズワークショップ)で出会いました。近年ではこまばアゴラ劇場の演劇学校、無隣館に参加して)、そこで演劇の勉強をすると共にWEB企画として写真と稽古場日誌を書くWEBメディアを運営してきました(青年団入団後も続けさせていただいておりますが、そちらはコロナ禍で自粛中です)。それでその流れで、似た活動をもっと外でも出来ないかな、と考えているところで、大石くんからお声掛けいただきました。あと、最近はあんまり貢献出来ていませんが、アマヤドリという劇団で劇団員として演出助手に明け暮れてもいました。まあ、その、なんだ、演劇バカの一人です。

本番に向けての2回の稽古場レポートはこちらからご覧いただけます!

【稽古場行ってみた!】劇団晴天『捨て身のハンサム』①こんにちは!ご無沙汰しております。木村恵美子です。 最近は劇団晴天のタイミングにしかブログを稼働させておりませんが、「もう少し頑張れ自...
【稽古場行ってみた!】劇団晴天『捨て身のハンサム』②こんにちは!木村恵美子です。 先日に引き続き、 2223project produce 劇団晴天第13回本公演 「捨て身のハ...

それから、過去のゲネプロレポートはこちらからご覧いただけますので、もしよかったら併せてご覧ください。

【ゲネ感想】2223project produce 劇団晴天の「曇天短編集」vol.2 とにかくどんな苦境の中も、”生きる!!”としがみつくさて、さて、さて!!! 自分の結婚報告の後処理が終わってないやらかし木村恵美子です。今回はまた劇団晴天主宰・作・演出の大石晟雄(おおいし...
【ゲネ感想】2223project produce 劇団晴天第12回本公演 「劇団晴天の『曇天短編集』vol.3」 ”雨が止むのは知ってます“ ―自分、が、どうしたいか―こんにちは!もう「ブログを更新すると言ったらこの記事!」みたいになってきてしまいつつありますがしかしやる気を失ったわけでは無い木村恵美子...

 

劇団晴天4年ぶりの長編新作!!!

さて!今回『捨て身のハンサム』、劇団晴天4年ぶりの長編新作らしいのですが……。そうだっけ??なんかそんなイメージ無いのですがまあ、それだけ精力的に活動しているということですよね!そんな新作長編!面白かったです!今回もどこが面白かったか、どんなところがおすすめか、ちまちま書いていきたいと思います!

あらすじ

さて今回初の試み、この戯曲の冒頭のあらすじを勝手に書いてみることにしましょう。あらすじのネタバレも嫌な方もいらっしゃると思うので隠しておきます。

冒頭のあらすじ
料理研究家系YouTuber望月剛(田中孝宗)のチームに、望月剛のかつての同僚だという、池幸人(桂弘)が転職してきた。彼が言うには、職場恋愛の末に婚約破棄され辞めざるをえなくなり、望月を頼ったという。明るく陽気な池だが、動画チームのはじめ(宮川飛鳥)は、その振る舞いに違和感を感じ始める。仕事で大成功した望月と、何も持っていない池。2人の37歳を中心に、チームメンバーの人間関係も次第に変化していく。

ちなみに公式で掲載されている文はこちらです。

「大事な人がいるから、投げやりにもなれない」

『男らしい』みたいなのが死語になっていて、男らしいおれはどうやって過ごそうか
歳をとるごとに、年上の男になる 何かを決める人になる
でも男とか女とかじゃあないらしいんだ。

だったら記憶の中の胸の高鳴りは
憧れの浜辺のあの人は
丘の上の空き家は
敵だった彼は
それを

知っているおれは

子どもにはかっこいい姿を見せたいよ
年齢を重ねることはただ水分を失うことなのか?
なあ おじさんだってセンチメンタルになるさ ただ隠すのが上手くなっただけでね

最初は何だこれ?って思ったんですけど、内容がわかってみるとなかなかどうして、ぴったりですね!ってなわけで、この文でピンと来た方!是非ご覧いただければと思います。
今思えばこの字の並びは一応砂時計=時間の経過を形でも示しているんだな、というのが見えてきます(当時の本意は知りませんが)。
携帯でご覧の方は形がわからないですね。こんな感じです。

そう、今回はあれですね、時間の経過と、どうありたかったか、どうあったか、どうあっていきたいか、と、どうありたくないか。そういうことを書いている作品ですね。

30歳前の人間が40歳前の人達の苦悩を書いている。

撮影:保坂萌

今回、話の中心になっているのは37歳の男性2人。成功した男と、何も掴めないままでいる男。この作品は作家大石晟雄(おおいしあきお)の20代最後の作品ですから、それがすべてでは無いにしても、彼なりの、30代をどう生きるか?が作品の土台にあるのではないかなと思っています。
全体に流れているのは、人生のままならなさ。どうありたかったか、どうあったか、どうあっていきたいか、と、どうありたくないか、そして今、自分はどうあるのか、そういうことに葛藤し続ける約95分でした。

心の枷となっているもの。

演劇は難しいポジションにあるな、といつも思います。こうやって劇団を、演劇界での活動を続けていくことは演劇界的にも、もちろん社会全体的にもキャリアを積んでいるということで間違いないのですけれども、でも、当人の心の中では、自分は何も積み上げられてないんじゃないか、という葛藤が共存するものなんじゃないかなと思うんです。
作家として、演出家として、あるいは俳優として、時間は過ぎていくけれども、確かに経験は積みあがっていくけれども、賞を取ったり、評価されていくような人間はごく一部だし、いつまでも評価されるとも限らないし、これで、もし転職した時に自分は、同世代から見て遅れを取っているんじゃないか?みたいな、いや、よほどサボってなければ大抵遅れはとってないし、いざ転職するようなことがあっても全然問題なくやれると思う(個人的には演劇経験ある方は他業界でも活躍できると思っている)んですが、まあこれは演劇に限らず、王道以外の道を歩いている人間には共通の葛藤だと私は思っていて。

で、なんでこの話をするかと言うと。この作品て実は、それぞれの登場人物にとって、今作に出てくる以外のもっと上手いやり方って全然あって、それを選ばない不器用さも含めて、この作品の登場人物なんだなっていう見方がね、あると思うんです。だけど、何か理由があってその選択肢をとっている。それは無知なのかもしれないし、諦めなのかもしれないけれども。でもそこがそう描かれていることがこの戯曲をより人間らしくしていて良いな、と思っています。

そしてそういうところは、作家大石の中で、演劇人、もしくは王道でない道を選んでいる人の葛藤に繋がっているんじゃないかなって。そう思っている感じです。

撮影:保坂萌

社会的に成功するだけが幸せか?

今回、私が好きなのは嫉妬に関する描写で、これが「社会的に成功するだけが幸せか?」って問いに重なっていると思っているんですよね。

どうなんでしょうか。今作、大枠では3つの幸せが出てきてる気がします。

・社会的に成功すること
・パートナーとの関係が良好であること
・周りが幸せであること

そして、この3つそれぞれで何かしらの問題が発生する。
まあ、そりゃあどれも満たされているということが一番良いんでしょうけど、どの幸せにしても他者が関係するものであるからこそ、パワーバランスが崩れると不幸を生みます。

で、それがなんとなくわかってくるんだけど、でも、まだうまく乗りこなしたり、かわしたり出来ないでいるのが、30代なんじゃないかな、と思います。個人差ありますけれども。もちろん。10~20代は見えている人もいるけど見えてない人が大半で、わかっていてもやりすぎたり、怖がりすぎたりもして、よっぽど器用じゃなければまだ「知る、覚える」時期で、30代から少しずつ、関わり方を「掴んでいく」感じなのかなって思っています。もちろん早い人も遅い人もいますけれども。そして、大石君も同じように感じているからこそ、今作をこういう風に書いたんじゃないかなって。

今作で〇〇〇が出てくることについて考えてみる。
さて今回作中にマルチ(ねずみ講)が出てきますが……。これこそ「周りが幸せであること」が暴走するとどうなるか、を描くために選ばれたと思うんですよね。(まあこれは現在の社会情勢的には「陰謀論」のメタファーでもあると思うんですが。)作中でも出てきますが、彼らはただただ「他者の幸せのために行動する」人物として描かれています。もちろん、「他者のため」自体は良いことの方が多いでしょうが、方法を間違えるとかえって迷惑をかけ続けることにもなります。正義感拗らせてるのが一番面倒ってやつですよね……。

社会的成功……。私には縁のない話ですが、我々世代、90年代生まれくらいまでって、社会的に成功することこそ幸せ、みたいなイメージありますよね。でも改めて考えてみると、社会的成功ってそこまで幸せか?とも思います。特に極端に成功したタイプの方とかは、色々制限も増えたり、やることも増えたり、小さな幸せが減ったり、ハードルが上がったりするんじゃないかな、と……。最近は、社会的成功と、やりたいことを天秤にかけるなら、やりたいことを選ぼう、みたいな風潮にもなってきている気がしますし、作中にもそういうシーンがありますね。まあ、どちらを選ぶかも、時代じゃなく、個々人が決めるものなんですが……。

 

それぞれの役に触れながら書いてみます。

ではここからはそれぞれの役に触れながら感想を書いていきたいと思います。

桂弘さん(池幸人役)

撮影:保坂萌

まず、池幸人役の桂弘さん。凄かった!凄かったです。稽古場レポート②の時に白石さんが仰っていた男版近藤陽子というのもなんとなくわかりました!ほんと、晴天の主役にぴったりな俳優さん。稽古場で拝見していた時よりエネルギッシュな演出になっていて、特に冒頭のシーンとか凄いアクティブに演じてらっしゃって驚きました。そして感情が揺れるシーンのストレートさ!白石さんが仰っていたことがよくわかります。こうもスカッと気持ちよくストレートに演れるのは能力です。意外と嫌味になってしまったりするものです。

しまった、桂さん個人への感想ばかりになってしまいました。池さん。改めて、この池という役をこういう風に書いたのは本当に面白いな!と思いました。

何が面白いか。
何が面白いか。彼が、底なしのお人好しというところと、お人好しなのに、自己管理能力が低くて、うだつが上がらないところ。彼は嘘つきとして描かれていますが、なぜ、噓つきなのか?を見ると、根本的には誠実さから来ていることがわかります。まあ、誠実をはき違えるのもやっかいなんですが、それはそれとして、根本的な実直さ、誠実さが、生活力のなさと相まってこじれてしまっているところ。言い換えれば、根本的にはとても良い人なんです。でも、行き詰ってしまった。そういう人物像にした判断が面白いと思います。この役は、このポジションは多分戯曲上もっと他の書き方も出来たと思うんです。でもあえてこの書き方を選んだ。まるで、「人間はふと、ああ自分は間違っていたと気づくときがある」とでも言っているような、そんな気がしています。

最後のシーン地味に感動するんでよく見ておいてください。

 

田中孝宗さん(望月剛役)

撮影:保坂萌

望月剛(ごう)役の田中孝宗さん!人間が普段生きている中で色々な顔をさりげなく使い分けているのだな!というのを改めて感じさせる役です。瞬間瞬間で結構違います。作中では成功者として描かれていますが、彼が幸せそうに見えるシーンはあまりありません。だいたいにこやかにはしているんですけどね。でまたこの望月もまたとてつもなく優しいのです。作中では「男気」とも表現されておりましたが。しかし同時に彼自身も己の優しさ、男気に振り回されていたりして。人生って難しいですね……。

終盤のあるシーンについて
先日稽古見学に伺った際にちょうどそのシーン用の練習をされていたのですが、とても器用な方であっという間に習得されていて驚きました。ゲネプロではさらに洗練されておりましておおっ!となりました。役としても終盤は幸せそうでかなりホッとしました。

 

佐藤沙紀さん(葉山日和役)

撮影:保坂萌

葉山日和役の佐藤沙紀さん。チームの裏方面を統括しているようです。やり手な仕事人って感じです。今回は今までの作品よりも女性らしい服装が多い気がしましたね。今作、池、望月、葉山はかつての同僚で同い年3人組として描かれているので、彼らの人生の対比も面白いです。また葉山に関しては冒頭から結構重要な情報がサラッと出るのですが、それを踏まえて観て頂くと色々と思うものもあると思います。

私木村、結構毎回佐藤さんの役が好きになることが多いのですけれども、今回も好きなんですけれども、今回個人的には周りにからかわれているシーンも好きですが、近藤陽子さんが演じる沼津を𠮟りつけるシーンがいちいち面白いですね。実社会ではここまで怖いのにここまで長い目で見てくれる人もあまりいないでしょう。根っこの所は優しいんだぞっていうのがわかってとても好きでした。

ところで今回は上にも書きましたが衣装も好きでした。ミーティングのシーンでワンピースで出てきた際には私「おっ!」って言いかけました。とてもお似合いです。写真欲しいです。

 

喜田裕也さん(田島駿役)

撮影:保坂萌

次は田島駿役の喜田さん!チームの動画部門の一員。でもなんでも出来る様子。作中ほぼずっとある話題にとりつかれていましたね。そのせいで結構重要なシーンで現場にいられなかったりしており、彼だけ彼が主役の別の物語が進行しているかの如くです。しかしながら田島は作中色々可哀そうな感じになるタイミングが多く、また比較的観客よりの発言をしているタイミングも多くあり、何かとふふっと笑わせてくれます。個人的に好きなセリフは「隅っこ行くの好きですね」です。

ちなみに「ある話題」ですが……
全然ネタバレでもなんでもないのですが「大きそうに見える」という話、一般的には身長に比例すると言いますから、喜田さんは比較的身長が高そうなので実際それが気になる人にはそう見えているのでしょう。(何を言ってるんだ私は)

 

荒木広輔さん(安曇吉郎役)

撮影:保坂萌

次に安曇吉郎役の荒木広輔さん。チームの動画部門の一員かつ、バンドマン。この役も、そうですね、すみませんうまく表現しきれなくて全体的に短いコメントになってしまうんですが、このポジションの役をこういう風に書くものか……!という驚きに満ちていました。なんか逐一面白かったイメージがあります。役としては受け身なタイプではあるんですが、その受け取り方、回し方が逐一面白かったです。そういえば最近客演されていた作品とはかなり違うタイプの役でしたね。こっちの荒木さんも魅力的ですので是非。個性的な衣装にも注目です。ある種池さんとの対比として書かれている側面がありそうです。もう少し作品を見直してみたいと思います。

 

宮川飛鳥さん(榊はじめ役)

撮影:保坂萌

榊はじめ役の宮川飛鳥さん。私にとってはアマヤドリでの後輩(私は演出部で彼は俳優ではありますが)にあたるわけですが、やはり彼の良さが出ていてとても良かったです。作品としても結構重要な役でした。チームの動画部門かつ、彼がいなければ望月が成功することもなかった、という存在。重要な役なのにこんな感想からで恐縮なんですが、男性陣の中でも大柄な方なのに冒頭で着ている衣装の組み合わせ的になぜか実際より小柄に見えて、割増で可愛い、みたいになってて面白かったです。作中では若手の設定ですが、何かと可愛く見えるのがとても良いですね。この役の面白いところは、他者に対しての印象や関係はこういう風に絶妙になったりもするということを表現出来ているところですかね。それも作中で色んな人と。途中で彼が下すある決断は、その結果下されるものですが……、具体的にどんな葛藤があったのだろうと、とても気になったりします。

 

白石花子さん(望月まり役)

撮影:保坂萌

望月まり役の白石花子さん。役の名前を見るとわかるのですが、チームのケータリング部門のリーダーであると同時に、望月剛の妻でもあります。面白かった……!作中での心の揺れ動き、変化が特に強く見えた役だったと思います。とても良かった。良かったんですけれども、もうまりさんに「大変でしたね……!」とお声掛けしたい気持ちでいっぱいになります。しんどすぎる。しんどすぎるわ。

終盤のとあるシーン泣きそうでした
特に終盤の2つの望月とのシーンは木村泣きそうでした。ここまでの彼女の葛藤がここに全部向かっていたのだな、と思うともうここを前提に改めて見直したい気持ちでいっぱいです。

 

角田悠さん(土浦司役)

撮影:保坂萌

土浦司役の角田悠さん。チームのケータリング部門の一員。今回も最初から最後まで元気いっぱいでした!角田さんは終始悪態ついたりスレスレのこと言うけど憎めない、みたいな役が本当に似合いますね。この土浦も作中でかなり人生が変わりますので、2回目を観劇するならばその時発言や行動に注目していきたい人物の一人です。作中のとあるシーン、実は木村とてもよくわかりますよ……。優先順位ってもんがあんじゃん!っていう、それ……。あ、冒頭でよく見ると小道具が劇団グッズです。ご注目ください!

これは作品には関係ないのですけれども、大石君の執筆の邪魔になってもあれなので、実は最近レポート関連については基本的に角田さんに窓口になっていただいております。稽古で忙しいであろう中いつもありがとうございます!お世話になっております……!舞台上のあのエネルギーのままにいつも快く褒めてくださってとても感謝しております……!そう、舞台を降りても快活でスカッと気持ちの良い方なのです。今後も元気な役はもちろんですし、違うタイプの役を拝見するのも楽しみにしております。

 

近藤陽子さん(沼津胡桃役)

撮影:保坂萌

沼津胡桃役の近藤陽子さん。稽古場レポートの1回目から言ってますが、これは今までとは解釈の違う近藤陽子という感じです。正直初めて見た時はかなり意外でした。でも納得ではあります。根っこは一緒な感じだけど結果が全然違う感じです。是非注目してご覧ください……(いや全員に注目していただきたいくらい全員良い役なのですが……)。今回もエネルギッシュでとても素敵でした。

そう言えば今回も他のお仕事で忙しい劇団員、松風金太郎さんが前説アナウンスの音声を担当されているのですが、ゲネプロ前に流れた時に近藤さんが「可愛い!」と崩れ落ちていたのが印象深かったです。はい。とっても可愛いアナウンスだったので聞き逃しなく!

あとはネタバレになるので隠しますね!

この年頃には結構あるよねって思ってます。
さて。前のネタバレに書いた人物はこの人なんですけれども。マルチに限らずそういうちょっと癖のあるものってなぜかある一定以上の年齢の女性が割と高確率でひっかかりますよね。なんででしょうね。いや凄いな、戯曲に書いちゃったかこのタイプの人を……。途中で望月にかなり酷いことを言われているのがとても印象的でした。そうか、もうだめか……。

 

永田涼香さん(高橋時子役)

撮影:保坂萌

高橋時子役の永田涼香さん!チームのケータリング部門の一員で若手。稽古場レポートにも書きましたがマジでソワソワします。かなりの割合でソワソワさせてきます。そう!若いってそう!みたいな、何か……。ねえ。戯曲としてはある種、現代の「自分」がない若者をうまく捉えた人物像なのだと思います。彼女も作中で人生がかなり変化します。これもまた、若者の成長の一端を見ているようで興味深いです。

 

鈴木彩乃さん(太刀川美海役)

撮影:保坂萌

そして最後に太刀川美海(みみ)役の鈴木彩乃さん。池の婚約者です。感想の大半が目隠しになってしまって大変恐縮なのですが、今回の鈴木さんは男前です(曇天短編集3からは今回も、な感じもありますが……)。でもかなり可愛いです。いやなんで両立してんねんって感じですが両立します。あと、地味に注目すべきは出てくるシーンに合わせてお化粧が変わっております。お化粧バッチリのシーンとノーメイクのシーンがあります。稽古場で話には聞いていたのですが、それを知っている状態で見ていると確かに効果的で木村は正直かなり感動しました。

男前って?
いや今回鈴木さんの一番の見せ場、凄い男前なんですよ。ある種だめんずウォーカー的な側面はありますけれども!うーん、もしかしたら、現代の男性の理想の女性ってこういうタイプなのかもしれないですね。実は私の友人で結婚した人の何人かは、プロポーズ女性からだったらしいんですよね。だから、自立していてどんどん引っ張っていってくれる女性を求めているような、そんな逆転現象が起きているのではないかと。大石君は実はそんな現代男性の理想をここに描いているのでは……という深読みを……してみます……。

 

どんな人におすすめかな?

撮影:保坂萌

さて今回、どんな人におすすめな作品だろう?と改めて考えてみました。

まず、
アラサーの人!
同世代ですね。まずそこですね。それから、
進路に迷っている人!
もちろん学生さんでも、こんなご時世だしこれからどうしようかな~な人でもです。
自分にとってはどうかな?と考えられるポイントがいっぱいあります!
笑いたい人!
真面目なシーンもいっぱいありますが、笑えるシーンも沢山あります。
ハッピーエンドが良い人!
劇団晴天の長編はだいたいそうですが、ハッピーエンドです!でも今回は内側の葛藤も大きめなので、本当の本当に何もかも嫌になるほど疲れてる人にはお勧めできないかもしれません。ちょっと疲れてるくらいの人はきっと元気がもらえます!
下ネタが好きな方!
今回結構下ネタ多めです!苦手な方はご注意ください!

こんな感じでしょうか!思いついたら追記します!

配信もありますよ

今ままでのゲネレポートには書いてなかったのですが、最近私木村自身が観劇は配信派なので書いておきます!今公演配信があります!詳細はこちらです!

都合がつかない!という方や、公演後にゲネプロレポートを読んで気になったから観てみたい!という方でもご覧いただけます!是非是非ご検討ください!🙇

 

では座組の皆様!ありがとうございました!初日お疲れ様でした!
ここまで読んでくださった方、長々とお付き合いいただき、ありがとうございました!

『捨て身のハンサム』、本番は
■公演期間
2022年6月22日(水)~6月26日(日)
■会場 小劇場B1

です!さらに公演詳細を知りたい!という場合はこちらのページからどうぞ!

https://g-sayten.jimdofree.com/next/

最新情報等は、劇団晴天Twitterで確認いただけますので、ご確認ください!