こんにちは!木村恵美子です!今回劇団晴天の主宰、大石君が個人ユニットを旗揚げすることになりましてなんと……、劇団晴天に引き続き、個人ユニット”みさくぼ”も稽古見学させていただけることになるので行ってまいりました!!!
いやー、やっぱりね、「今回、きっと凄い面白いことになるぞ!」と思いました!稽古場、とっても興味深くて、面白かったです。すみません私の方で色々あって見学したのは結構前なのにこれが公開される頃には本番直前期になってしまいますが!面白くなりそうでしたので是非!ご検討頂ければと思います!では!
改めまして今回、
みさくぼ
第一回 歩く人々
『碌な夜がいねえ』
2022年10月15日(土)~10月24日(月)
@王子小劇場
のレポートを書かせていただきます!
さてさて、今回ネタバレはなるべく避けていきますけれども(でもちょっとするので嫌な人は観劇後にご覧ください!)ね、木村恵美子って誰よ?と、過去のゲネレポート&稽古場レポートの袋とじ?を貼っておきますね。クリックすると出てきます!
それから、過去のゲネプロレポートはこちらからご覧いただけますので、もしよかったら併せてご覧ください。
<一番最近の公演の稽古場レポート&ゲネレポート>
今回の出演者の方が出ている過去公演情報を前もって見ておいても面白いかもしれません!
なんと劇団晴天の大石晟雄が個人ユニットを旗揚げ!
アップで神経衰弱をする俳優陣を見つめる大石君。
というわけで!最近話題の劇団晴天の大石君が急に!個人ユニットの旗揚げを発表したわけですが、今回何やら色々新しいことをしている模様です。
大石君を知らない人のためにザっと紹介しますと、彼は普段王道のヒューマンドラマを書くタイプの作家さんです。抽象表現とか踊るとかは全然無くて、ちゃんと舞台美術が組んであって、そこに人が生きていて関わっていて、まさに笑って泣けるような、バシッと王道の作品を作っています。あ、名前は大石晟雄(おおいしあきお)と読みます。
私と大石君とは20代の前半で出会って、なんやかんやお互いがお互いに力を貸したり借りたりしながら創作活動をやってきた仲なのですが、彼は本当に良い作品を書くなあと私は常々思っておりまして。
そんな劇作家大石の一番の持ち味は軽い会話と切実な題材のセレクト!だと思っているのですが、その辺の良さは変わらず、でもその一方で、いつもの笑っちゃうくらい生活感を切り抜いた舞台美術や、王道の戯曲構造、その辺は完全に手放して、いつもとは違う表現手法を様々なベクトルで追及していました。大石君は今まで様々な演劇を作ってきたし、観てきたし、実は演出助手や舞台監督の経験も豊富な人ですが、それでも自分の創作において新しいことに(しかも一部じゃなくてほぼ全部新しいこと!)チャレンジするというのは、なかなか困難があるものだと思います。出演者の皆様も頭を使う場面が多いだろうなあと思っていたのですが、
「そのくらいは覚悟の上だ」
という覚悟と、優しさが読み合わせやふとした会話からひしひしと伝わってまいりまして、私は一劇作家として
「ああ、なんて羨ましい……」
という気持ちでいっぱいでした。かっこよかったです。
良い座組です。とても!
いやでも改めて。大石君の書く台詞は軽い会話の上手さが凄いなあと思いました。私自身も日頃台詞を沢山書きますが、自分自身の喋り方が既に固いのもあって、若干台詞が固いんですよねえ……(ちなみにこの文章はほぼ私の話し言葉とイコールだったりします)。でももう大石君の台詞は軽いんですよ。役の人格が軽いとかじゃなくてこう、言語化が難しいんですけども、崩した会話のリアリティ、とでも言うんですかねえ……。ああすげえもう見習いたいです尊敬ですなんだその抜け感……あ、そうですね抜け感……!大石君の台詞には抜け感があります!それがね、今作多分改めて生きてくると思う。実際のところは完成形を観てみないことには何も言えないけど!
大石晟雄、30歳の新しい挑戦!
さて大石君と私木村は共に1992年生まれでして、今年30歳になりました。
こないだの劇団晴天の公演『捨て身のハンサム』は大石君にとって20代最後の公演でしたが、今回の公演は30代最初の(自分主宰の)公演。
告知文でも想定出来ると思いますが、今回なんとなんと、大石君は劇作家・演出家として新しい挑戦をしております。
ちなみに今回の告知文はこちら
想像力のあるほうがむしろ損をするんじゃなかろうか。
もう無理です。と思っても、そうじゃない気持ちを持たないことには、というか、それでも進み続けているし現状。でももう無理です。どうなんだろう、思った時に、望ましい存在だと思われるような。その望ましい存在だと思われるような振る舞いを求められている、求められていると感じてしまっているような。自分がそうなりたくなっていっているような。
夜を歩く話です。
劇場を円形に使って、歩き続けている人々。複数のマイクで、その空間を重ねてみます。カラオケの扉を開けてナンパする人も、本当に無理な夜を過ごす人も、珍しい蝉を追う人も、あなたと、あなたの対岸にいる人も同時に存在する道を、お話だけでなく空間を、そして、私たちが漠然と抱えている全ての不安をまとめて解き明かすみたいな夜を作りたいと思っています。
劇場を、円形に……!!!そして、空間を重ねて!!!お気づきでしょうか?大石君は今まで劇団晴天において、具象舞台で物語らしい構造の物語を上演してきました。ですが、今公演では抽象舞台で、かつ複数の空間が同時に存在するような、そういう作品を作るようなのです。この記事に貼ってある写真で舞台図面がチラ見えしておりますが(最終的にこうなったのか私はまだ知りませんが)、劇場を円形にとはつまり、王子小劇場の構造を活かした俳優の回遊性の高い演出をする、という、ことのようです(最終的にはどうなるか知りませんが)。
大石君今まで(少なくとも私が見たことあるうちでは)そんなことしたことないじゃん……。
でもそれはつまり、つまるところ、今回の公演を経て大石晟雄はまた一段階成長出来ますよってことじゃない……?ターニングポイントってやつになりうるんじゃない……?
楽しみですねえ……。
また今年大石君は今回の劇場、王子小劇場の芸術監督(雑に言うと一番偉い人)にもなりましたからね!そんな王子小劇場での公演にこんなチャレンジを持ってくるのは、かなり面白いんじゃないでしょうか……??🐣
実力派揃いの目が離せないキャスティング!!!
さて今回、もう一つ着目していただきたいのは、
実力派揃いのキャスティング
だと思います!
いや冒頭でも書きましたけどね、新しいことやるのはそもそも大変だしね、今回大石君がやろうとしていることは多分、よく考えて演じないとなのに多分演出的に結構足を使う、と思う。精神的にも肉体的にも結構大変だと思うんですよね。
で、そういうタイプの演劇は結構、俳優の技量が求められてしまうんですよね。演出が良いからって乗り切れるもんじゃなくて。一方で上手いだけでも難しかったりして。相性もあるんですよね。でも今回集まってくださっている俳優陣がね、もうね、読み合わせの段階から良くてね、大石君よなぜこんな俳優さんばかり集められるんだい?人徳ですか?そうだね人徳だね大石君は良い人かつ面白いし熱意があるからね……。みたいなことを私はもやもや考えてたりするんですけども!
さらに良い俳優さんなだけじゃなくてキャスティングが的確!当て書き的な部分もあるんだろうけどもう、あの佇まいからしてピッタリ過ぎて読み合わせ聞いてるだけで結構ニヤニヤしました。今回も観てくださった方の心の中に「あの役が凄い好き!」ってキャラクターが一人くらいは出てくるんじゃないかなって、ワクワクしてます。
せっかくなのでそんな素敵俳優陣の写真公開します!(公式情報お名前順・敬称略)
今回も皆さん素敵な俳優さんだし、どの役も面白そうだったので、ゲネプロで完成形を拝見するのがとても楽しみです!!(私がいた時間はほぼ読み合わせだったので動きがなくてすみません!!!)
安藤安按(中野坂上デーモンズ)
小川哲也(平泳ぎ本店)
築(演劇企画ニガヨモギ)
柴崎史也
高見駿
つかてつお
長井健一
森谷菜緒子
利佳(ジールアビリティ)
今回はこういうところが面白くなりそう
個人的には今回の稽古見学で、今作品は
人と人の関係性のあり方やその演出、また全体的な演出の構造や風合い的なところがとても魅力的な作品になりそう!
という感想を抱きました!
いやーでも私の経験上、こういうタイプの作品は劇場入りしてセットと照明を伴って初めて立ち上がるタイプの作品だと思うので、劇場で観るのが!とても!楽しみです!
公演詳細
今回演出の都合上かなり席数が絞られるようですが、どうやらまだチケットがあるようです!(10月12日現在)
公演詳細は公式Twitter、CoRich舞台芸術!よりご覧ください!